お寿司の時に“ほうじ茶”を飲むとどうなるでしょう?<後編>

さて、人が”陽”で「魚貝や獣鳥」も”陽性“ですから、”陽“が”陽”を召し上がるというのは、非常に強い”陽(温める力)”をいただくのだ。ということをもう一度考えます。

 

強い”陽”をいただくのは、「すごく温まっていいのではないか。」そう考えるかもしれません。ですが、強すぎる“陽”は、身体のエネルギーや細胞を強く燃やしてしまう想像をしてもらうとわかりやすいかもしれません。要は負担が大きいのです。

 

そこでお寿司を食べにいくと見かけるガリにも意味があります。これは「消化を助ける生姜」を「酢(陰性)」につけて、強い“陽”になりすぎないよう調節をしているのです。

 

“陽”が強いお寿司を召し上がる時に、緑茶が選ばれるのも、”陰”の緑茶のほうが身体にはちょうど良いからなのですね。

 

ちなみにでは、ほうじ茶を飲むとどうなるのでしょう。試してみるとわかりますが、のどの渇きが癒やされません。その結果、かえって水分を多くとってしまうことが多くなります。

 

“陰陽学”とは身近にあります。もし、旅行などにいくことがあれば、その風土と食事を“陰陽”の視点で観察されると面白いことが発見されます。どうぞ「これはどうしてだろう。」と毎日を愉しんで頂けたら幸いです。

 

陰陽栄養士 上地弘三

 

 

【マニアック陰陽1】

“陽は陰を好み、陰は陽を好む。”というのはどういうことかをお話ししたい。これは簡潔に申しますと、引き合うという現象。調理での具体的な例を申しますと、乾物のような乾燥している(陽の)ものは、水(陰)に触れると、吸収します。

 

調理器具で例えると、「アルミボール」を「冷凍食品」にふれさせておくと、「アルミボール」が「冷凍食品」の熱を吸収し、早く解凍されていきます。これは「アルミボール」と「冷凍食品」を比べると、「冷凍した食品」が強い”陰“をもっているので、二つを比較すると「アルミボール」が”陽“、「冷凍した食品」が”陰”で、アルミボールの方に、”陰“が引き寄せられるということになります。

 

なんだか難しいですね。いいかえますと、「冷たい食器に温かいスープを入れると、すぐぬるくなってしまったりすることや、冷やした飲み物を温かいグラスにいれると、中途半端な冷たさになってしまうことなど」身近で起こっている現象が、これ、すなわち”陰陽学(いんようがく)”ということなのです。

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