昨日のつづきです。
持続的に熱が出ている時はどうしたらよいか。
この時に選ぶのは“さゆ”となります。
“持続的に熱が出る。”とはどんな状態か。少し想像しづらいかもしれません。具体的には「風邪が治りはじめた時の、だるいけれども動ける。」ときのことです。それともう一つありまして、「鼻水がダラダラと出る。」「鼻がつまる。」「息がしづらくて、ぼーっとする。」
これらもふくまれます。
要は“身体の中で、どこかがおかしいのだけれど、すごい炎症が起きてる状態ではなく、ダラダラと具合悪さが継続している状態”のことです。
この時に、常温の水を飲むとどうなるでしょう。
水を飲みます。そうすると“陰性(冷たい)”のものが消化器官にふれます。消化器官は(”陰の力“をもらい)冷えます。そのあと当然”消化器官“はまた温かくなろうとします。(その際”陽の力”を消費します。)
簡単にいえば、身体を温める力を多めに使うことになるので、身体の温める力が減ることは、病気に対応する”免疫“にとっては、不都合なわけです。
それに対してさゆの場合は、消化器官は温かいままです。むしろ温めます。吸収された後は水なわけですが、身体を冷やさずに水を吸収したわけですから、このあとの水のはたらきは非常に有効です。
繰り返しますが、
「水とは栄養学的には、身体の「pH(ペーハー)」(酸性、アルカリ性)を調整したり、ホルモンを運ぶ助けをしたり、身体の体温の調整をしたり」をします。
加えて、“栄養”を運んだりするときの役目も果たします。
この時の栄養とは、「汚れの回収後に排出」に着目したいです。
風邪や不調を訴える時、身体の中で菌などと免疫はたたかっています。そのあと、その分解物や汚れを回収しなくてはなりません。
その際の汚れとは、“陰陽学(いんようがく)”では“陽の残骸”(使い終わった“陽”の汚れ)のことであり、回収しなくては身体の中は汚れたままになってしまいます。
そこで”陰は陽をひきつける”ので、水(“陰性”)が分解物や汚れ(”陽性”)をもっていって排出するのです。
結論を申しますと、
「水を飲み消化器を冷やすと、その分だけまた温めるという作業負担が大きいだけにつらい。」
「さゆを飲むと負担が少ない分、回復が早くなる。」
このような差があるということです。
よく聞く身体にはさゆが良い。というのは“陰陽学”の視点からみればこのような作用だからこそ「身体にとって負担なく、回復が早い」ということになります。
全てにおいてさゆが良い。ということではないですが、その時々で上手に活用して頂けると幸いです。
では、これを聞いて頂いた上で、もういちど題名の「水が運ぶもの。」と「さゆが運ぶもの。」を一緒に考えていきたいと思います。
つづきは明日になります。
本日もありがとうございました。
陰陽栄養士 上地弘三
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